この日は30℃超えの夏日の予報でしたが、実際は曇り空で、心配した高温にはなりませんでした。よかったです。
今回は、熊谷駅南口集合となり、遠方から電車・バスを乗り継いで熊谷までお越しいただきました。しかし、急な欠席者も遅刻された方もなく、10時に北斗交通のバスで予定通り出発できました。

バス内では、尾本さん(熊谷ミニ支部)の軽快な案内やクイズがあり、盛り上がりつつ荻野吟子記念館へ

*荻野吟子記念館(入館無料)
近代日本最初の女性医師。塙保己一・渋沢栄一と並んで「埼玉ゆかりの偉人」といわれています。
その生涯は、渡辺淳一作『花埋み』に書かれました。
荻野吟子の年表・展示を見学、休憩をとり、葛和田の渡しへ

*葛和田の渡し(群馬県では赤岩渡船という:無料)
1560年頃、上杉軍の渡河に使われた記録もあり、歴史ある渡船です。
熊谷市葛和田と群馬県邑楽郡千代田町赤岩の間の利根川を渡る【県道扱いの渡し船】なので、料金は無料です。
船頭さんは2人。船は約20人が座れるベンチが設置されています
乗り方は、埼玉側からは、定期バス停そばの高いポールに付いた黄旗を揚げ、群馬側から船が出発するのを確認のうえ、旗を降ろして船着場へ行き乗船。
群馬側からは、受付の小屋があるので、船頭さんに声をかけ、乗船
埼玉側には、グライダー滑空場とサッカー練習場があり、休日の天候の良い時には練習風景を見ることができます。
晴れていれば、遠くの山々がくっきり見えるところですが、当日は曇りでちょっと残念でした。




*光恩寺(無料)
群馬側の赤岩の船着場から土手を上り10分ほど歩くと、光恩寺です。
光恩寺には、荻野吟子の像と、彼女の生家から移築した立派な長屋門があります。
皆様が、高い土手の上り下りを苦にせず、楽しく歩かれていたのが印象的でした。

*レストラン・オリーブ
ランチは、前菜、サラダ、フォカッチャ、ピザ、パスタ、デザート盛り合せ、カフェで、お腹いっぱいになりました。
この日は、お店の定休日でしたが、特別に貸切りで対応してくれました。





オリーブから聖天山に向かう途中、旧坂田医院や井田友平ポマード王の旧居が、バスから見えました。レトロな洋館は、今では映画のロケ地として活躍しています。

*妻沼聖天山
『阿うんの会』のガイドで拝観しました。
1179年斎藤実盛が創建(平安末期、鎌倉時代前)。1670年類焼(江戸時代)。
以来44年間かけて再建されるのですが、日光東照宮の修復に参加していた職人達の高い技術と、権力者ではない一般の人々の浄財によって修復されました、さらにこの度の平成の大修理も、国や県の補助金だけではなく、再び一般の人々の浄財が集まってなされたことが、高い評価を受けています。

・拝殿の彫刻
「琴棋書画」(きんきしょが:琴や囲碁や書や絵を楽しむ姿)
この囲碁の彫刻に因み、本坊書院で、囲碁界で最も伝統あるタイトルの本因坊戦が、2012年初開催、今年2017年6月にも開催されたそうです。
「鯉から竜へ」(出世する姿の籠彫り彫刻)、「唐子の遊ぶ姿」「軒を支える猿達」「吉祥天と弁財天のすごろく」「鳳凰一対」
これらの色鮮やかで生き生きとした彫刻をみると、当時の腕のある職人さんが楽しんで作っていたのでは、と感じます。

・貴惣門
設計から100年かけて、1851年完成したそうです。
屋根が上下二重(上は1つ、下は2つ)の切妻屋根の特殊な形をしています。
門を守る持国天・多聞天のお顔も親しみ深いものでした。



アニメのヒーローっぽいとの感想もありました。






*片倉シルク記念館(入館無料)
最後に、片倉工業の製糸工場跡、2つの大きな繭倉庫を残してつくられた記念館を見学しました。 
寄棟造り倉庫には操業時使われていた製糸機械が、蜂の巣倉庫には繭の蔵出しや養蚕の道具が、当時のままにきちんと保存されています。
そして、倉庫の周りには、色々な種類の桑が植えられていました。
経産省の近代産業遺産に認定されています。
片倉工業は、女工さんの教育に熱心な企業であったこと、富岡製糸場を稼働しなくなった後も維持管理し続けたこと、それが世界遺産につながったと思うと感慨深いです。
目先の利益だけにとらわれない企業が、ここにあることに思いを馳せました。

実は当初予定されていた「道の駅妻沼」は、急な休館日で寄れなかったのですが、この2階では、荻野吟子に因み「“いちばん星”見つけた」の展示があり、日本初の女性プロフェッショナルが紹介されています。春と秋は敷地内のバラ園がきれいです。

ほぼ予定通りの16時頃に熊谷駅に到着し、ここで解散となりました。
北斗交通のバスや、レストラン・オリーブのご協力もありがたかったです。
そしてなによりも、各地からご参加くださった皆様のご協力に感謝申し上げます。
また次の機会にも、皆さまとご一緒できますように!  

    Y.K.